干物や塩焼きでおなじみのカマス。
小魚を食べる肉食魚であることに加え、非常に獰猛な性格であることと群れで行動することから、誰でも比較的簡単に釣ることができます。
しかし釣り人の増加に伴い、年々釣れ難くなっているのも事実です。状況によっては釣り人の腕で釣果が激しく分かれ、隣で釣りをしていても5倍以上の差が付くこともあります。
一見簡単そうで奥が深いカマスのルアー釣り。今回はこの記事を読んでいるあなたが5倍釣る側になれるよう、カマスの釣り方について解説します。
ルアーで狙うカマスの釣り方解説!
カマス釣りのシーズン
釣ろうと思えば年中狙えるカマスですが、季節によって着き場やサイズ、種類が違います。
ここでは年間の流れを解説します。※地域差があります。
春~初夏
春の水温上昇に伴い、小型のカマスが漁港内や堤防で見られるようになります。
その見た目から鉛筆カマスとも呼ばれ、メインターゲットになることはありません。
アジング用のワームを鉛筆カマスの上でブラブラしてやると、水中から飛び出して襲い掛かってくる様子を見ることができます(笑)
初夏~初秋
一般的に「カマス」と呼ばれている「アカカマス」ではなく、「ヤマトカマス」が現れる時期です。アカカマスよりも小ぶりで、背中に斑模様があるのが特徴です。
種類は違いますが、ポイントや釣り方はアカカマスと同じです。僕のホームではヤマトカマスは夏の風物詩となっています。
秋~冬
ベストシーズンです。サイズが大きくなり、脂が乗る秋~冬のカマスは、強い引きで楽しませてくれ、食べても非常においしいです。
ベイトとなるキビナゴが浅場を回遊する季節となることから、カマスも岸近くの浅場に寄るので釣りやすくなります。活発にベイトを追っている群れを見つけたら大爆釣間違いなし!
冬~初春
水温低下に伴い、活性が下がります。数百匹の群れの中にルアーを投げ込んでも、反応するのは3匹なんて事も普通にあります。
釣れれば良型が揃う事も多いですが、活性が低い真冬のカマス釣りは修行の場と化すので、あまり好きではありません(笑)
カマス釣りのポイント
カマスを釣りたいなら、カマスが釣れるポイントに入らないといけません。どんなに上手い人でもそこに魚がいなければどうしようもありませんからね。
カマスはどんな場所にいるのか?どういうところを選べば良いのか?を解説します。
水深がある場所
カマスは深い場所を好みます。表層に浮いていることも多いですが、水深がある場所の中で表層に定位しています。具体的には、水深3m以上あるポイントが好ましいです。
どシャローにカマスの群れがいるのは見たことがありません。
潮通しが良い場所・もしくはそれに近い場所
カマスは潮通しが良い場所を好みます。漁港や堤防なら角や先端近くです。
潮通しが良いところに隣接した漁港の奥や船溜まりなどに居着くこともあります。
岩場・沈み根絡みの地形変化
カマスは岩場や沈み根周りを好みます。船道や堤防の敷石周りに潜んでいることも多いです。
底に変化があるポイントは、その変化に着かなくてもカマスが寄りやすい傾向があります。
常夜灯周り
夜間は常夜灯周りにも寄ります。活性が高くないときはアジングの外道として釣れる程度ですが、光に寄った小魚を積極的に狙っているときは派手なナブラを起こすことも珍しくありません。掛けたアジを横から掻っ攫っていくこともあります。
カマス釣りのポイントまとめ
以上の条件を考慮すると、水深がある漁港周りがおすすめのポイントとなります。
ベイトが入っていればチャンス大です!
カマスが釣れやすい時間帯
カマスは時間帯によって活性が全然変わってきますし、そのポイントに居ないこともあります。
朝は爆釣だったのに、昼は1匹もいないなんてことも珍しくありません。
なので釣りやすいタイミングでポイントに入ること、釣行する時間帯によってポイントや狙い方を変えることが重要です。
朝・夕マズメはゴールデンタイム
朝マズメと夕マズメはゴールデンタイムです。積極的にエサを追いかけるので、簡単に釣ることができます。
良い時に当たればルアーやアクション関係なしに入れ食いになります。
ハマれば1時間で100匹釣ることもできる時間帯です。
朝マズメのみ釣れるポイント、夕マズメのみ釣れるポイント、どっちも釣れるポイントがあります。
朝マズメで大爆釣したのに夕マズメはゼロなんてことも普通にあります。ポイントごとで釣れるポイントは把握しておきましょう。
常夜灯に寄る夜間
食い気のあるカマスは、夜間に常夜灯周りに寄ってきます。活性はそのとき次第ですが、常夜灯周りのカマスは食い気があると考えて良いです。
積極的に小魚を追いかけてナブラを起こす時もありますし、アジング用の小さなワームにしか喰わないときもありますし、そこそこのサイズの魚を狙っているときもあります。
状況に応じたルアー選択とアクションが必要ですが、常夜灯周りでカマスが見えるなら、それは大チャンスです。
日中は深場やストラクチャー周りに居着く
日中、活性の落ちたカマスは深場やストラクチャー周りに着きます。
水深20mのボトムに居着いたり、船の陰に隠れたりしているカマスはなかなか出てきません。
釣れないことはありませんが、釣るのが難しい時間帯です。
釣るためのルアー選択とアクション
活性が高い時はどんなルアーでも釣ることができるカマスですが、そうでないときはしっかりルアーを合わせてやらないと釣ることができません。
ここでは状況別におすすめのルアーと動かし方をご紹介します。
タダ巻きだけで釣るべし!
どんな状況でも、ルアーアクションの基本はタダ巻きです。トゥイッチは入れてはいけません。
トゥイッチを入れた瞬間、あなたのルアーは海の藻屑となるでしょう。歯が鋭く、捕食が下手くそなカマスはイレギュラーなルアーアクションについてこれず、ラインを噛んでしまうのです。
ゴーフィッシュの武田さんは「トゥイッチは自称中級者にありがちなミス」と話しています。僕は武田さんとカマス釣りをしているときに何気なくトゥイッチを入れてみたら「トゥイッチ厳禁」と言われました(笑)
高活性時
高活性時はどんなルアーでも釣ることができますが、効率よく釣りたいならミノーのタダ巻きがおすすめです。
ミノーを選ぶ理由は、アピール力が高くカマスにルアーの存在をアピールできることと、トリプルフックが2つ付いているのでフックアップする確率が高いことです。
できる方は、アタリがあったら即掛けして、フックが複数本カマスの口に入らないようにすれば、フックを外す手間も減らせます。
アクションはタダ巻きです。間違ってもトゥイッチは入れてはいけません。高活性時にトゥイッチなんてしたらそれはもう・・・
広範囲を探れるメタルジグも魅力的ですが、スッと沈んだ瞬間にカマスの歯がラインに当たって、ブレイクすることがあるのでどんなルアーにも反応するような状況ではおすすめしません。
ワームはすぐズタボロにされてもったいないし、交換が手間なので高活性時は止めた方が良いです。
一定のレンジ保ちながらカマスにアピールできるミノーは高活性時に最もおすすめのルアーです。カマサー50が最高です。
中活性時
しっかりと合わせてやれば問題なく釣れますが、何かがズレると全く喰わないなんてことも珍しくありません。
こんな時はワームとヘビーシンキングミノーで攻略します。
中活性時に釣れない方はレンジが合っていない可能性が大なので、素早く沈み一定レンジをキープできるヘビーシンキングミノーがおすすめです。カマサー50が最高です。
アクションはタダ巻きですが、巻くスピードは調整しましょう。巻きスピードを変えたら釣れ出すことはよくあります。
これで大体釣れますが、これでもダメならワームの出番です。ワームは2.5インチ程度、ジグヘッドは7g前後で鈎が下向きのものを選びましょう。カマスは斜め下後ろからルアーを喰いに来るので、下向きフックの方が格段にフッキング率が高いです。
ペティシャッドとFチェンジヘッドにカマス鈎を付けたものが最高です。ジグヘッドのチューニングが面倒であればエコギアの3Dヘッドでも構いません。
どちらもアクションはタダ巻きです。浮きすぎたと感じたら再度沈めなおして巻きます。トゥイッチは厳禁です(笑)
低活性時
低水温時や日中は、障害物に隠れてジッとしているヤツや、浮いてはいるけど目の前に来たルアーしか喰わないヤツがいます。数百匹いてもルアーには3匹しか反応しないとかザラにあります。
こんな時はヘビーシンキングミノー・ワームで攻略しましょう。
まずはカマサー50のタダ巻きで全層サーチ、反応する魚がいないかを探ります。
巻きスピードは遅めです。スローからデッドスロー、C2000ノーマルギアのリールで2秒1回転~3秒1回転が目安です。数がいれば数匹は反応するはずです。
それがダメならワームの出番です。小型のシャッドテールワームと3g~5g程度のジグヘッドを使います。グラスミノーSとFチェンジヘッド(鈎は下向き)がおすすめです。
レンジを刻みながらリトリーブスピード変えながら探りましょう。これでしか喰わないときがあります。
それでもダメならアジングで使うような小さいワームとジグヘッドを使います。スローなフワフワとしたアクションでカマスのいるところまで届けるようにしてやると、低活性時でも数が出ることもあります。
低活性時はルアーを全く追わないので、目の前までルアーを届けてやらないといけません。目の前に来たルアーをついばむだけなのでアタリも非常に小さく、即掛けしないとフッキングしません。アジングのような釣り方になります。
奥の手
スレてルアーに反応しなくなった時や、低活性でルアーに見向きもしないときの奥の手があります。
ライトワインドです。3.5g~5gのデルタマジックヘビーにトレブルフックを装着したものに、DD8の1.5インチ~2インチを装着します。
連続ダートとカーブフォールで誘います。するとあら不思議、カマスがワラワラと出てきます。特にタダ巻きにスレたカマスには効果抜群です。
低活性時、何をやってもダメでも、ワインドなら反応することがあります。
切られるリスクがあるので使わなくても済むなら使わない方が良いのですが、奥の手として覚えておくと良いでしょう。
色々説明しましたが、大体の状況はカマサー50のタダ巻きで何とかなります。
ラインブレイクを防ぐ
カマスは歯が鋭いので、歯がラインに当たると切れてしまいます。
ここではラインブレイクを防ぐ方法をご紹介します。
太いリーダー、もしくはワイヤーを使う
ラインブレイク防止に最も効果がある方法です。カマス用のワイヤーもあるので見てみると良いでしょう。
僕は7号のフロロカーボンを使用しています。一時期は5号を使っていましたが、良型アカカマスを釣り続けると、不安が出てくるので7号に替えました。
今のところ食いが悪くなると感じたことはありません。2号リーダーの方と並んで釣りをしても、同じように釣れます。
即掛けする
アタリがあったら即掛けして、ルアーを飲まれないようにしましょう。
ゴリ巻きする
掛かったら問答無用でゴリ巻きです。カマスに頭を振られてしまうと、歯がラインに当たる可能性があるので、暴れさせてはいけません。
ラインブレイクを防ぎたいなら、引きを楽しむのは諦めましょう。遊ぼうとしてルアーを切られることは多いです。
スナップを使う
ほとんどの方がスナップを使っていると思うので、あえて言う必要はないかもしれませんが・・・
スナップの長さ分、鈎からラインまでの距離が稼げるので、カマスの歯がラインに当たりにくくなります。
カマス釣りを楽しもう!
この記事を読んだあなたはもうカマス釣りマスター!
必要な知識は全てこの記事に書きましたので、あとは実践あるのみ!
現場で試行錯誤して、自分のモノにしてくださいね!