[マグネシウム・アルミ・ZAION・CI4+]リール外部に使われる材質の特徴

リール

リールに使われている素材を意識したことはあるでしょうか?

おそらくほとんどの方は気にしたことがないと思います。

リールに使われる素材が変われば使用感も全く違うものになるので、素材別の特徴を知っておかないと正しいリール選びは出来ません。

「予算内で一番高いリールを選ぶ」それが悪いとは言いませんが、ベストでもありません。用途次第では1ランク安いリールの方がマッチする場合もあるわけです。

しかしそれはリールの素材の違いによる性能の違いを理解しておかないと分からないわけです。

「そんなの難しすぎて分からないよ・・・」と思う方も多いかもしれませんが、何も難しくありません。勝手に難しいと思っているだけです。

今回はリール外部に使われる素材の特徴を解説するのでぜひリール選びの参考にしてください。

※今回はスピニングリールメインの解説となります。

 

 

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リール外部に使用される素材について

※今回のリール外部と言うのはボディ・ローターのことを指します。

リール外部に使われている素材は大きく分けて2種類。金属と非金属です。

細かく分類すると、金属はマグネシウムアルミニウム。非金属はZAION・ZAION V・DS5・DS4(以上ダイワ)、CI4+(シマノ)・C6カーボン(アブガルシア)、強化樹脂です。

それぞれに特徴があり、これによって使用感や耐久性が変わってきます。

ここでは素材1つ1つの特徴について見ていきましょう。

 

マグネシウム

リールに使われる素材のなかで最も高額の素材です。

マグネシウムは非常に軽量(比重1.74で実用金属最軽量)かつ強度も高く凹みにくいのでリールの素材としては最高なのです。
また温度変化による変形もないので、季節によって使用感が変わったり、ギアが傷む心配もありません。
しかし発火性が非常に高く取り扱うにはノウハウが必要で、加工できる業者が限られているので高額になります。腐食性が高い素材でもあり(錆びやすい)、リールに使う為には防腐処理が必要なので高額リールにしか使えないのは仕方ないのかもしれません。

使われているリールはステラ・イグジスト・ヴァンキッシュ・ルビアスエアリティ・Revo MGXtremeなど高級リールばかりです。

 

アルミニウム

リールに使われる素材の中では剛性が最も高いです。そして錆にも強いです。
低コストなのでミドルクラスのリールにも採用されています。
金属の中では軽量の部類に入るアルミですが、リールに使われる素材としては最も重いのも特徴です。

使われているリールはステラSW・ソルティガ・ツインパワー・セルテート・ストラディック・Revo ALX THETAなどです。

 

ZAION

ダイワが誇る高剛性樹脂素材です。
樹脂素材に混ぜるカーボン素材の量を可能な限り高密度にしたもので、一般的な含有量の3倍量のカーボンが入っています。
ダイワからは「マグネシウムと同等の精度と剛性を持った樹脂素材」と発表されていますが、実際に使ってみるとマグネシウムほどのカッチリ感も巻き心地の良さも感じないというのが現実です。
しかしリールに使われている樹脂素材の中では最も優秀な素材であることは間違いありません。軽さや耐食性は金属素材を遥かに凌ぎます。

ダイワのルビアス以上のほとんどのリールで採用されています。

 

ZAION V

2021年に発表された新素材です。ZAIONに近い性能を持ちながらZAIONよりもコストダウンし、安価なリールに採用できるようになっています。
これはあくまでも予想なのですが、ZAIONよりもカーボン繊維の密度を減らしているのでしょう。そこで落ちた剛性はボディの形状でカバー。

採用されているリールは、モノコックボディである21カルディアとリールフットを太くすることによって剛性を高めた21フリームス。普通に使用する分には剛性は問題ないでしょう。

 

DS5

ダイワが出している強化樹脂素材のことです。樹脂素材に配合されたカーボン繊維がZAIONやZAION Vよりも少ないです。

リールのボディやローターに使用されていますが、DS5製ボディは非常に剛性が低く、少しテンションを掛けてラインを巻くと、リールフットがグニャグニャに撓みます。
主に安価のリールに使われており安価リールの中では軽い素材に入りますが、剛性がおもちゃレベルなのでライトゲーム以外使う事はおすすめしません。
つまりライトゲーム以外に使うならDS5ボディのリールは選ばない方が良いという事です。

ボディに使われているのはレガリス、そして中低価格帯のダイワリールのローターに使用されています。

 

DS4

ダイワが出している強化樹脂素材のことです。樹脂素材にカーボン繊維ではなく、ガラス繊維が配合されています。

低価格帯のダイワリールのボディやローターに使用されています。価格が価格なので仕方ありませんが、良い素材とは言えません。コストダウンのための素材です。

 

CI4+

シマノが出している強化樹脂素材です。樹脂素材にカーボン繊維の粉を混ぜ込んで形成された素材で、非常に軽量、そして耐腐食性が高いです。
剛性は決して高いとは言えませんが、使用するにあたって問題はありません。
リールに高負荷が掛かる釣りを続けると、ガタが出るのが早いことが欠点です。
金属と比べると剛性と精度が低いため巻き心地や安心感は及びませんが、軽量かつ低コスト、そして腐食しない(錆びない)のが強みです。

近年のシマノのリールはCI4+と金属のハイブリッドボディのリールが増えており、剛性の高い金属素材にCI4+をねじ止めすることで剛性を確保しています。またクイックレスポンスシリーズに搭載されている軽量ローター「マグナムライトローター」はCI4+製です。

CI4+が採用されているリールは、アルテグラ・ヴァンフォード・ツインパワー・ツインパワーXD・ヴァンキッシュなどです。

 

C6カーボン

アブガルシアが出している強化樹脂素材です。樹脂素材にカーボン繊維が混ぜ込まれた素材であり、高剛性かつ軽量、そして当然錆びません。
アブガルシアはマグネシウムに匹敵する剛性だと発表していますが、実際のところは定かではありません。個人的な感覚ですが、CI4+より剛性が高いと感じます。精度やカッチリ感は金属には及びません。

C6カーボンは1万円クラスから4万円クラスのリールにまで採用されています。

 

 

軽量性

CI4+≧C6カーボン=ZAION>ZAION V=マグネシウム>DS5>DS4=アルミニウム

といったところでしょうか?

※調べたわけではなく、というか調べようがありませんが、完全に僕の感覚によるものなので参考程度までに

 

 

剛性

アルミニウム>マグネシウム≧ZAION=C6カーボン>ZAION V=CI4+>>>DS5>>DS4

といったところでしょうか?

これらすべての材質のリールに負荷を掛けたことがあるので、間違ってないとは思います。

 

 

耐腐食性(錆びにくさ)

CI4+=C6カーボン=ZAION=ZAION V=DS5=DS4>アルミニウム>>マグネシウム

樹脂素材は錆びません。今は金属素材も防腐処理はしっかりと施されているので、よほどのことがない限りは錆びることはないでしょう。

 

 

各メーカーのリール素材事情

どのリールのどこに何の素材が使われているのかは、カタログを見れば一目瞭然なので深くは話しませんが、特にダイワ・シマノは素材の使い方に意図が見えるのでお話しようと思います。

 

ダイワはローターの素材の使い方が特徴的です。金属ローターはソルティガのみで、他のリールはほぼ全てローターの軽量化が見られます。

「ローターを軽くしてレスポンスの良さで勝負する」のがダイワリールの方向性なのでしょう。

したがって、しっとりと滑らかな巻き心地を求める方は必然的にダイワリールは選べません。

 

シマノはボディ素材の使い方が特徴的です。フルメタルボディはステラ系のみで、他のリールでメタルボディを採用しているものは全て樹脂系素材とのハイブリッドです。フルメタルボディはオーバースペックだと見たのでしょう。

樹脂系素材を合わせることで、実釣に必要な剛性は十分に確保しつつ軽量化することによって魚を釣るための性能に特化させているのでしょう。しかしそれでは質感が大幅に落ちてしまうので、最高級リールであるステラだけはフルメタルのまま残したと言ったところではないでしょうか?

ハイブリッドボディはかなり批判されていますが、剛性には全く問題はありません。汎用リールにフルアルミボディのリールが1台もないので、フルアルミを求める方は必然的にシマノのリールは選べないことになります。

 

アブガルシアは特に尖らずバランスが良いですが、最近はC6カーボンローターのリールが増えていますね。

 

 

素材を知って、リールの知識を深めよう!

素材を知ることで、店頭で触っただけでは分からない事も分かるようになりますし、触らなくてもある程度使い心地をイメージできるようにもなります。

しっかりと勉強して、自分のスタイルや用途に合ったリールを自力で見つけられるようになりましょう。

 

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