近年、爆発的な盛り上がりを見せるサーフからのルアーフィッシング。
夏~秋はマゴチ、秋~冬にはヒラメがメインターゲットとなります。
これから始めたいという方も多く、今後ますます盛り上がっていくことでしょう。
各メーカーから様々な専用ロッドがリリースされ、アングラーは自分好みのロッドにたどり着きやすくなりましたが、反面これから始めたい方はどれを選んでいいのか分からないことも多いのではないでしょうか?
今回はサーフからルアーでヒラメ・マゴチなどのフラットフィッシュを釣るためのロッドの選び方の解説とおすすめのサーフロッドをご紹介します。
この記事を読むメリット
- サーフロッドの基本的な知識が得られる
- 価格別のおすすめのサーフロッドを知れる
サーフロッドを選ぶときに見るべき4つのポイント
サーフロッドを選ぶうえで見るべきポイントはたくさんありますが、今回は絶対に抑えておきたい4つのポイントをご紹介します。
- 長さ
- 硬さ
- 継数
- 価格
それぞれ解説します。
サーフロッドの長さ
サーフで使われるロッドは一般的に9フィート~11フィートと他のルアーフィッシングに比べると長めです。
広大なサーフで広く探るためには、ルアーを遠くに飛ばす必要があり、そのため遠心力を活かしたロングキャストができるロングロッドが必要なのです。
しかし長ければいいというわけではありません。長いほど重く、振りぬきづらくなるので自分の体力に合わせて選ぶことが大切です。
今回はサーフで使われるロッドの長さを3つに分けて解説します。
9フィート~9フィート6インチ
サーフで使われるロッドでは短めです。
短い分飛距離が出にくいことが弱点ですが、非常に軽量で取り回しが良いので、長時間使用しても疲れないことと感度が良いのがメリットです。
操作性と感度が高く、魚の活性が低い時にネチネチと攻めるのに向いています。
ロングロッドは3時間振るのも大変ですが、短めのロッドなら半日振っても疲れません。
それほど遠投する必要がないポイントであれば、ショートロッドは最強です。
僕は9フィートのロッドをメインとしています。
9フィート6インチ~10フィート
遠投性能と軽さを兼ね備えた、サーフで最も使われることが多い長さです。
ショートロッドより遠投が効くし、超ロングロッドほど疲れない、誰でも使いやすい長さなので初心者の方はまずこの長さから入ると良いでしょう。
どんなポイントでも使いやすい長さです。
10フィート以上
その長さ故、しっかりと振り抜くためにはそれなりの体力が必要です。長時間振り続けることは難しく、短時間釣行をメインとする方以外はメインロッドとはなり得ないでしょう。
キャストのたびに強い力が必要で、フルキャストを繰り返すとケガのリスクがあるということも覚えておきましょう。
使いこなせれば圧倒的な飛距離が出せるので、誰も届かないポイントを探ることもできるのが大きなメリットです。
11フィートにもなれば他者を圧倒する飛距離が出せますが、体力的にしんどいのと、フルキャストを繰り返すと腕が壊れます。
僕は11フィート、ルアーMAX50gのロッドで半日フルキャストを繰り返した結果、1週間も腕のしびれが取れませんでした・・・
サーフロッドの硬さ
自分が使いたいルアーの重量が背負えることが条件です。
サーフで使われるルアーは15g~40gまでであることがほとんどですが、ポイントによってはもっと重いルアーや軽いルアーが必要となることもあるでしょう。
自分がメインとするポイントではどれぐらいの重さのルアーが良いのか?メインで使いたいルアーは何gなのか?それが分かっていると必要な硬さは自然と出てきます。
何も分からないのであれば15g~40gのルアーに対応したロッドが無難です。
ロッドにはML・M・MHなどの硬さの表記がされていることが多いですが、同じ「M」であったとしてもメーカーによって硬さが全く違うので、参考にはしない方が賢明です。
ロッドもしくはパッケージやメーカーサイトに使用可能なルアーの重量の記載があるので、そちらで確認しましょう。
サーフロッドの継数
ほとんどのサーフロッドは2ピースですが、非常に長いサーフロッドでは3ピースのモデルもあります。
仕舞い寸法が短いため、持ち運びに便利なのが特徴です。
一般的に継数が多いほど「重い」「パワーが弱い」と言われますが、継数を多くすることによってパワーを出す設計もあるので一概には言えません。
例えば、シマノの3ピースモデルは、反発力を出すために敢えて継数を増やしています。
サーフロッドの価格
安ければ折れやすく、高ければ折れにくいと考えている方が多いですが、それは大きな間違いです。
高額のロッドは、軽く高感度にするために高弾性カーボンを薄巻きにして作られていることもあり、特性を理解していない人が使うと簡単に折ってしまいます。
高額のロッドは「ハイパワー」であることは間違いありませんが、それは使い手がロッドパワーを上手く引き出してこそです。丈夫で折れにくいというのはまた別問題です。
低弾性カーボンの厚巻きで作られている重くてダルい安いロッドの方が折れにくかったりします。
長いサーフロッドは自重以上に重く感じるので、1万円以上のロッドを選ぶことをおすすめしますが、ご自分の財布と相談して決めて頂ければ大丈夫です。
初めのサーフロッドはどんなのがいい?
- 9フィート6インチ~10フィート
- ルアーMAX45gまで
- 1万円以上
この条件を満たすロッドであればどれを選んでも間違いはありません。
サーフロッドとシーバスロッドはどう違う?
サーフロッドとシーバスロッドはよく似ていますが、サーフロッドの方がファーストテーパーであり、ロッドパワーも強いものが多いです。
ファーストテーパーであることで、軽めのワームのキャストや操作がしやすいです。また、重いルアーを大遠投することもあるので全体的にシーバスロッドよりも強くなっているのです。
しかしカーボンを厚く巻いて強くしている分、重いのでシーバスロッドに比べ取り回しが悪くなり、軽快さは失われます。
個人的には、35gを超えるルアーの大遠投を繰り返す釣りでない限りはシーバスロッドの方が楽に釣りを展開できると考えます。
おすすめサーフロッド
おすすめのサーフロッドを価格別に分けてご紹介します。
ここでご紹介するのは、サーフロッドして売られているロッドではなく、サーフでヒラメ・マゴチを狙うのにおすすめのロッドです。
1万円以下のおすすめサーフロッド
アンロック フラットフィッシュ 962
1万円を切る価格ですが、思いのほか良いブランクスで、安物ロッドでありながらダルダルな感じはありません。
ガイドがハードガイドなのが気になりますが、価格を考えると仕方ないでしょう。
1万円~1万5000円のおすすめサーフロッド
ソルティーアドバンス シーバス S96M
シャキッとハリのあるブランクスにダルさは一切ありません。非常に軽いので取り回しが良く、軽快に使用できます。
ガイドにはトラブルを防ぐKガイドが搭載されています。サーフでのフラットフィッシュゲームに必要な性能を一通り備えている、初心者には最もおすすめの1本です。
1万5000円~2万円のおすすめサーフロッド
SSD SURFLAT 98M
間違いなく、このクラスのロッドでは最高のモデルです。
全てのガイドにSiCガイドを搭載、ラインへのダメージを和らげます。
ティップからベリーまでが非常にしなやかで、負荷が掛かるとスッと入る追従性の高さは、軽量のワームやプラグのキャスト、操作がやりやすくなるだけでなく、バイトを弾くことも減りフックアップの可能性が高まります。
しっかりと曲げこんでいくと非常に綺麗なカーブを描き、ブランクス全体で負荷を受け止めます。
特別パワーが強いロッドではないので、青物が混じるエリアでの使用は厳しいかもしれませんが、フラットフィッシュに絞ったとき、このロッドは最高の仕事をしてくれるでしょう。
2万円~3万円のおすすめサーフロッド
ディアルーナ S106M
このロッドを候補から外すわけにはいかないでしょう。
間違いなくクラス人気No1のロッドです。
シャキッとシャープでありながら、負荷が掛かるとしなやかに曲がり込み、なおかつ適度な反発力で魚を浮かせてくれます。
この反発力の高さは、スパイラルXによるものです。(スパイラルXはディアルーナ以上のロッドに搭載)
このブランクの良さは初心者でも分かるほどで「そんなに高くないロッドなら何でも良い」と言った初心者が、このロッドと他のロッドを触り比べた後には「絶対にこのロッドが良い」と言うほどです。
ディアルーナを購入して後悔することはないでしょう。
サーフトライブ 1062M
サーフフィッシングの聖地である静岡を拠点とするメーカー「ジャクソン」がリリースするロッドです。
このクラスには珍しく、40tカーボンが使用されていることにより、高い反発力と感度を持ちます。
軽くて高感度ですが、硬くて脆いという欠点を持つ40tカーボンですが、ブランク形成の際に縦と横方向にカーボンを巻く、つまりカーボン繊維を90度に交差させることによって強度UPされています。
1062Mはヘビーウエイトプラグやメタル系ルアーの扱いを得意とし、サーフの釣りではお馴染みの同社の「飛びすぎダニエル」「鉄PANバイブ」「Gコントロール」「アスリート12SSP」などが使いやすいロッドです。
ヘビールアーで遠投を必要とするポイントにはうってつけのロッドです。
3万円~5万円のおすすめサーフロッド
ラグゼ チータR3 100M
しなやかさとハリの加減が絶妙、流石がまかつと言ったところでしょうか。
ガイドフレームはチタンとステンレスのハイブリッドセッティング。ステンレスガイドでコストカットしながらも、必要部分には軽量のチタンガイドを配置することによって、性能を高めています。
高品質カーボンでおなじみの「トレカT1100G」(33tカーボン)と高弾性カーボンをコンポジットすることによって、強度を保ったまま軽量化・感度UP・ハリ感の向上が実現されました。
3万円台と決して高くないロッドでありながら、超高額ロッドを使い慣れたベテランアングラーをも納得させる性能を持つチータR3はサーフの釣りでもぜひ使っていただきたい1本です。
ドリームコンスリー88H
8フィート8インチとサーフでは使うには最短レベルのロッドです。短さによる取り回しの良さと100gを切る自重がもたらす圧倒的な軽快な使用感は他の追随を許しません。
恐ろしいまでの感度の高さ、エクストラファーストテーパーのブランク、レスポンスの良さがあることで、低活性時のショートバイトを積極的に掛けにいくような使い方ができます。
高弾性でパリッとした印象ですが、負荷が掛かるとバットまで綺麗に曲がり込みます。
パッと見の印象では想像できない程のパワーを秘めており、テスト時には南国でイソマグロ、カスミアジ、ヒラマサなどのパワーファイターをねじ伏せています。
ドリームコンスリー88Hはサーフでの近距離戦において最強のロッドです。
5万円以上のおすすめサーフロッド
セブンセンスTR モンスターサーフ 1052
最近はシーバスロッド専門のメーカーになっているGクラフト。高弾性かつ粘り強いブランクが特徴です。
ロッドの質が高すぎて、「1度使うと2度と他のメーカーのロッドは使えない」という方が続出し、Facebookにはそんな方たちが集まるグループ「G-CRAFT被害者の会」が存在します(笑)
特にTRシリーズはロッドを作っている川崎専務のこだわりがヤバい。
モンスターサーフ1052はファーストテーパーで、軽量のルアーでもしっかり飛ばすことができます。柔軟なティップとハリのあるベリーの組み合わせなので、ジグの操作も快適です。もちろんワームやミノーのタダ巻きも問題ありません。
負荷が掛かるとベリー~バットまでスムーズに曲がり込み、ブランク全体で負荷を受け止めます。高弾性でありながら粘り強いので、サーフの釣りでは掛かることも多い大型のエイが相手でも安心して曲げ込むことができます。
一定の範囲内でリールの位置を自由に変えられるオリジナルのリールシートにも注目。自分好みのバランスに整える事ができます。このリールシートはリールフットが当たるところに3Kカーボンが搭載されており、感度UPにも貢献します。EVAやコルクを挟まずに、カーボンに直接手を置けることによる感度の高さによりこれまで取れなかったアタリを取る事もできるでしょう。
高弾性でファーストテーパーなのでキャスト時のリリースタイミングが難しく、上手くロッドパワーを引き出せない方は飛距離を伸ばせませんが、この価格のロッドを検討する方であれば問題ないでしょう。
熱砂リミテッド 1010M+
シマノのサーフロッドのフラッグシップである熱砂リミテッド。
研究に研究を重ねて作られたこのロッド、何から説明していいやら・・・
熱砂リミテッドを語る上で外せないのは、その軽さでしょう。自重179g、3ピースでありながらこの軽さは驚異的です。ただ自重が軽いだけではなく、「持ち重り」「振り重り」という観点からそれぞれ数値化を行い導き出された、最適のバランスとなっています。
カーボンモノコックグリップはもうお馴染み、圧倒的な感度を生み出し、魚のアタリは当然のこと、ルアーからより多くの情報が伝わるようになります。
スパイラルXコア・ハイパワーX・マッスルカーボン・ナノピッチ・ナノアロイテクノロジーなど様々な技術が集結したブランクは、シャキッとシャープで高感度でありながらハイパワーで粘り強いという相反する要素が見事に融合しています。
あえて3ピースにすることで、2ピースでは不可能なテイストを実現。単に持ち運びやすくするだけだはなく、性能を高めるために3分割された、他にはないサーフロッドです。
自分に合ったサーフロッドを見つけよう!
サーフでのルアーフィッシングに向いたロッドはたくさんありますが、どれでも良いというわけではありません。
自分のメインフィールドや体力に合わせた選択が必須です。
しっかり勉強して自分に合うロッドを見つけ、サーフフィッシングを快適に楽しみましょう!