アジをルアーで狙うアジング。
非常に手軽で誰でも簡単に始めることができますが、釣果を伸ばすためには繊細なルアーを操作したり小さなアタリを捉えたりする必要があります。
その為、ロッドにも繊細さが求められます。
アジングロッド選びに失敗すると、暗黒のアジングライフが待っていると言っても過言ではありません。
そうならない為に、ここではアジングロッドの基本的な選び方について解説します。
記事の後半ではおすすめのアジングロッドも紹介しますので、最後までご覧ください!
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アジンガーとして、元釣具屋店員として、ロッドビルダーとしての3つの視点から見ていきます!
この記事を読むメリット
- アジングロッド選びの際の基本的な考え方が分かるので、ロッド選びに失敗して釣果が伸びないという事がなくなります。
- おすすめのアジングロッドを厳選して紹介しているので、結局どのロッドが良いの?なんて悩みがなくなります。
アジングロッド選びで失敗しない為に重要な事
ジグヘッドリグ(以下ジグ単)だけを使うという前提でロッドを選ぶことです。
(ジグ単向きロッドについては後述します)
最初は色々使えるロッドを選ぼうとしがちですが、それが最大の失敗の原因です。
アジングで最も基本で、多用するのはジグ単です。
まずは基本であるジグ単でアジの釣り方を覚えるのが上達への近道となります。
1本で色々できるロッドは非常に魅力的ですが、悪く言えば何もかも中途半端です。
どっちつかずになってしまうと、いつまで経っても感覚が掴めず伸び悩みます。
僕はロッド選びに失敗した結果、ロッドを替えるまでアジを釣る為に必要な感覚が掴めませんでした。
ロッドを替えなければダメだという事に気付くまで5年かかりました。
つまり、5年間をほぼ無駄にしたわけです。
こんな事にならない為にも、まずはジグ単だけを使う前提でロッドを選びましょう。
アジングロッドを選ぶ際に見るべきポイント
- ロッドの長さ
- ロッドの重量
- 扱えるルアーの重さ
- 穂先の種類
- 価格
- 継数
ロッドの長さ
最初の1本は6フィート前後で選びましょう。
アジングロッドは、短いものでは4フィート台、長いものでは9フィート台と短いロッドと長いロッドでは倍の違いがあります。
どちらにも特徴があるので解説します。
短いロッドの特徴
- 短い=軽い=操作しやすい
- 短い=持ち運びしやすい
- 短い=振動を吸収する部分が短い=感度が良い
- 短い=力の伝達が早い
- 短い=遠心力が出ない=飛距離が出ない
- 短い=負荷を受け止める部分が短い=パワーが弱い
- 短い=操作できる範囲が狭い=足場が悪いポイントでは使いにくい
長いロッドの特徴
- 長い=遠心力が出る=飛距離が出る
- 長い=操作できる範囲が広い=足場の悪いポイントで使いやすい
- 長い=負荷を受け止める部分が長い=パワーが強い
- 長い=重い=操作しにくい
- 長い=振動を吸収する部分が長い=感度が悪い
足場が高くない漁港周りがメインフィールドであるなら、5フィートでも問題ありませんが、少し足場が高いところやテトラポットなどでは使いにくい場面も出てきます。
僕は5フィート半ばのロッドをメインで使っていますが、足場が高いところや強風時は使いづらいと感じる場面があります。
慣れてくればそういった状況でも対処できるようになりますが、最初からは出来ないと思います。
感度・操作性などを考えると、最初は6フィート前後がおすすめです。
ロッドの重量
アジングロッドであれば、1フィート当たり10g~12gと考えると分かりやすいと思います。(あくまでも目安です)
6フィートなら60g~72gとなります。
初心者向けのロッドなら十分に軽量と言えるでしょう。
ロッドは軽いほど操作性が良く、疲れにくいです。
設計の問題もあるので一概には言えませんが、軽いほど感度も良いです。
使えるルアーの重さ
使えるルアーの重さは~5gまでのロッドがオススメです。
本当は~3gまでのロッドで十分なのですが、初心者向けロッドは軽量専用のロッドが少ないです。
上限が大きすぎると、繊細さに欠け、軽量ジグヘッドの操作感度が悪いです。
つまり、ジグ単でアジを釣る感覚を覚えるのに邪魔になります。
ここを間違えたらロッド選びは失敗します。
使えるルアーの上限が20gを超えるアジングロッドも存在しますが、ジグ単を使う前提では作られていないので無視しましょう。
アジングロッド最初の1本は使えるルアーの重さは重くても5gまでです。下は0.5g以下であれば問題ありません。
穂先の種類
穂先(以下ティップ)はソリッドティップ1択です。
主にアジングロッドで使われているティップはカーボンソリッド・チューブラー・チタンの3種類です。
それぞれ特徴があるので解説します。
カーボンソリッドティップの特徴
市販されているアジングロッドに最も多く採用されているのがこのカーボンソリッドティップです。
中空のブランク(ブランクとはロッドの棒の部分)にソリッド(中身が詰まっている素材)が繋がれいます。
中身が詰まっているので、より細く強く仕上げることが出来ます。
チューブラーでは出来ないエクストラファーストテーパー(超先調子)に仕上げる事が出来、そのため操作感度(重さを感じるための感度)が良く、また拾えるアジのアタリのバリエーションが多いです。
「ソリッド=柔らかい・食い込みが良い・感度が悪い」と言われることが多いですがそれは間違いです。
アジングロッドでは硬いソリッドティップも多いです。
チューブラーティップの特徴
何も繋いでおらず、ティップの中身が空洞になってます。
繫ぎ目がないので、素材を繋ぎ合わせたことによる感度低下がありません。
反響感度(振動を伝える感度)はピカイチです。
もちろん繫ぎ目で折れる心配もありません。
中身が空洞なので、軽いです。先が軽くなるので、持つと自重以上に軽く感じます。
他の2種のような急な曲がり方は出来ませんが、適度な曲がり方のおかげで、使いやすいルアーの幅が広いです。
「チューブラー=硬い、感度が良い」と言われることが多いですがそれは間違いです。
性質上、反響感度が高いのは間違いありませんが、ロッドはそんなに単純ではありません。設計次第でかなり変わります。
チタンティップの特徴
チタン素材のティップが繋がれています。
非常に柔軟で、操作感度が抜群に良く、わずかな潮の変化も見逃しません。
チタンティップ最大の特徴は反響感度と操作感度が反比例しない事です。
カーボンは柔らかくなれば操作感度は上がりますが、反響感度が落ちます。その逆も然りです。
チタンは、反響感度と操作感度の両立が出来ます。まさに夢のような素材なのです。
ティップが重くなるので、持った時に重く感じることが難点です。
チタンティップ搭載のロッドはクセが強いうえに、高額なので初心者にはおすすめしません。
初心者がカーボンソリッドを選ぶべき3つの理由
- 操作感度が良いロッドが多い
- アタリを表現する能力が高い(チューブラーでは取れないアタリが取れる)
- 安価帯からラインナップがある
チューブラーのアジングロッドはカーボンソリッドティップのアジングロッドに比べてかなり少ないです。
それほど使いどころと使い手が限られるという事です。
価格
自分の予算内で選びましょう。
安いアジングロッドと高いアジングロッドでは性質が全然違うので紹介します。
安いアジングロッドの特徴
- ロッドの扱いに慣れない初心者でも折りにくいように、耐久性重視で作られている
- 誰でも使いやすいように、クセが強くないロッドが多い
高いロッドの特徴
- 高弾性素材を薄く巻いている為、ロッドの使い方を理解していない人が使うと折りやすい
- 耐久性を下げてでも、性能を突き詰めているロッドがある
- クセが強いものがあり、自分に合わないと非常に使いづらい場合がある
最初は高価格帯のロッドには手を出さないことをおすすめします。
高確率で折ります。
継数
アジングロッドでは1本ものの「1ピース」と真ん中から抜けて折りたためる「2ピース」があります。
例外もありますが、この2種であることがほとんどです。
持ち運びしやすい2ピースが主流です。
ロッドの扱いに慣れない最初のうちは、持ち運びやすい2ピースがおすすめです。
初心者におすすめのアジングロッド
色々紹介しても逆に迷ってしまうと思いますので、3本を厳選しました。
僕が釣具屋勤務時にも勧めていたロッドばかりです。
ソルティーアドバンス・アジング 64UL-S(シマノ)
シマノのアジングロッドのエントリーモデル。
この価格帯にして、自重60g台と異例の軽さ。
グリップ周りの無駄なパーツをカットすることで軽量化が実現されています。
この価格帯では間違いなく最高レベルのアジングロッドです。
コルトUX 612L-HS (オリムピック)
2020年の新製品。
あまりにも完成度が高いことから、発売前からかなり話題になりましたね。
バットセクションには軽量化と剛性を兼ね備えた「グラファイトクロスLV」が搭載。
SIC-SリングのKRガイドや、ハイエンドモデルにも採用される「IPSリールシート」などが惜しげもなく盛り込まれています。
ティップ径が僅か0.6㎜とハイエンドモデルと変わらない細さで高感度に仕上がっています。
この価格帯でありながら、誰でも使いやすいロッドから1歩レベルアップした性能を持っています。
ティップが細い分、当然ですが折れるリスクは高まります。
発売開始から問い合わせが殺到し、入荷しても一瞬で完売してしまうような超人気商品でした。
欲しいなら、見つけたらすぐに買う事をおすすめします。
オーシャンゲート・アジ JOG-600XL-K ST AJ (ジャクソン)
2020年の新製品。
2015年にリリースされた「オーシャンゲートアジング&メバリング」がアジング専用としてリニューアルされました。
グリップの無駄を削ぎ落し、軽量化されていますが、適度に使用されたメタルパーツとカーボンパーツが見た目の高級感を生んでいます。
最低限のハリを残しつつ、ギリギリまで柔らかく仕上げられたティップは 軽量ジグヘッドを操作する際のアドバンテージとなります。
こちらも超人気商品です。
この中では最も安いソルティーアドバンスでも実売で8000円台と、入門には少し高額かもしれませんが、これ以上下げることはおすすめしません。
これより下がると、性能がガクンと下がります。というよりソルティーアドバンスが価格に対しての性能が高すぎるだけなのですが。
上の3本は全て、僕が価格以上の性能を持っていると判断したものです。
この価格帯でこれ以上のロッドはありません。
「それでもやっぱり8000円は出せないよ」という方の為にもっと安いロッドを1本だけ紹介します。
先に言っておきますが各パーツのクオリティが2ランク下がります。
アンロック・アジ 552
僕が触った低価格帯のロッドではトップクラスに優秀です。
短いのでそれほど重くは感じないでしょう。
エクストラファーストテーパーなので操作性も感度も悪くないと思います。
ガイドが安物なので錆びます。
アジングロッドは流用できる?
アジングロッドの流用は難しいです。
流用できるのはメバリング・トラウトぐらいです。
アジングロッドでエギングをしようとする方もいますが、破損の危険性がかなり高いのでおすすめしません。
専用ロッドでアジングを楽しもう!
ロッドの性能が釣果を大きく左右する「アジング」
専用ロッドを使う事で、釣果が伸ばせるうえに、早く上達できます。
上で紹介した3本の中で選べば失敗することはありません!
専用ロッドでより楽しいアジングライフを!