スピニングリールの異音、気になりますよね。
機械である以上、長く使っていると傷んでしまうことは仕方ありません。
しかし異音がしたりゴリゴリするリールではストレスが溜まって釣りどころではありませんよね。
オーバーホールに出したらしばらく釣りに行けないし、自分でメンテナンスなんて絶対無理と悩んでいる方も多いかもしれませんが、異音やゴロツキの原因は実は自分で簡単に解決できる部分での異常が多かったりします。
そこで今回はスピニングリールの異音やゴロツキの原因とメンテナンス方法を解説します。
自分でメンテナンスできることのメリット
- オーバーホールの時期や期間を気にする必要がなくなる
- 安く済ませられる
自分でメンテナンスするデメリット
- 組み間違える可能性がある
- ミスって壊してしまったら逆に高くつく
- 全て自分の責任になる
スピニングリールの異音やゴロツキの原因
一言に異音と言っても様々な音があります。
- シャラシャラ:ベアリングの異常。潮や泥などが入ったり、グリスが切れたりすると起こる。
- カタカタ:パーツ間の異常。ギアの摩耗や何らかの原因でボディが大きくたわんだ時などに起こりやすい。
- キュルキュル:内部パーツのズレなどで起こりやすい。
カタカタやキュルキュルは素人にはどうしようもありません。これが気になるならプロに任せましょう。
今回紹介するのはシャラシャラ音の改善法です。
シャラシャラ音はベアリング交換で解決!
シャラシャラ音やゴロツキはベアリングの異常であることがほとんどです。なのでベアリングを交換すれば解決します。
ベアリング交換なんて言うと「そんなこと自分で出来るわけないだろ」と思う方もいるかもしれません。
もちろんギア回りなどボディを1度割らなければならない部分の交換は無理でしょう。しかし多くの場合、原因はそこではありません。
シャラシャラ音やゴロツキが出やすい部分
リールのベアリングで最も傷みやすいのはラインローラー部とハンドルノブ部のベアリングです。誰が何と言おうとこの2つが間違いなく傷みやすいトップ2です。
僕が相談を受けたシャラシャラ音や巻き重り、ゴロツキの9割ほどはラインローラーとハンドルノブのベアリングが原因でした。
しかしこの2ヵ所はメンテナンスが非常に簡単な場所でもあります。ネジ1本外せばベアリング替えれますから。
本当にその部分が悪いのかのチェック方法は次で解説します。
ラインローラーのチェック法
まずは負荷を掛けてリールを巻いてみてください。次に負荷を掛けずに空巻きしてみてください。
負荷を掛けた時だけ異音がするならラインローラーのベアリングが傷んでいます。
ハンドルノブのチェック法
ノブを弾いて回転させてみてください。この時にもう片方の手でハンドルを摘まんでおくとベアリングの小さな傷みを早期発見できます。
かなり傷んでいればハンドルノブが回転している間はシャーっという音が聞こえるはずです。
また、音が鳴らなくてもハンドルを摘まんでいる方の手にゴロ感やシャラ感を感じる場合がありますが、その場合ベアリングは傷んでいますので交換の対象になります。
ベアリングの交換法
ハンドルノブ
まずはハンドルを外します。その方が作業しやすいです。
ノブキャップを外します。ネジで止まっているモノもあればはめ込んでいるだけのものもあります。最近ははめ込み式のリールが増えています。
ネジで止めているモノはネジを外し、はめ込んでいるモノは引っ張って外します。
ネジが見えますのでそれを外します。
ネジを外したらノブが外れます。
ノブの中にベアリングが見えます。根元側のベアリングは軸にノブの中に入らずに軸に残る場合もありますが、まあそこはどうでも良いです。
ピンセットなどを使いノブの中に残ったベアリングを取り出します。この時、ベアリングにワッシャーが張り付いている場合があるのでなくさないよう注意しましょう。
ベアリングが2個のリールもあれば1個のリールもあります。1個のリールの場合はハンドルノブの根元側か先側のどちらかがカラーになっています。カラーをベアリングに交換することも可能です。
パーツ類は順番が分からなくならないよう並べておきましょう。
ベアリングを新しいものに替えて組みなおしたら完成です。
※ベアリングを替えるとクリアランスが変化し、カタカタしたり回転が重くなったりする場合があります。その場合はワッシャーを足すなり減らすなりして調整してください。
ラインローラー
ラインローラーを止めてあるネジを外します。+のリールもありますし-のリールもあります。この時ベールから手を離していると、ネジが外れた時に全てのパーツが飛んで行ってしまうので、絶対にベールから手を離してはいけません。
ネジを外したら、慎重にパーツを取り出します。
パーツ類はなくさないよう、そして順番が分からなくならないよう綺麗に並べておきましょう。
内部のパーツの数や並びはリールによって違います。ベアリングが2個のリールもあれば1個のリールもあります。
ベアリングを新しいものに替えて組みなおしたら作業完了です。
尚、シマノの18ステラ以降のモデルはラインローラーとベアリングが一体化しているため、ラインローラーごと交換する必要があります。
分かりやすくて作業自体は楽ですがパーツ代がかなり高額です。
パーツの確保方法
パーツの確保方法についてです。これも幾つか方法がありますのでご紹介します。
釣具店からメーカーへ注文してもらう
最もミスが少ない方法です。
よりミスを少なくするためにはリールの年式や番手はもちろんですが、商品コードをしっかりと伝えましょう。
基本的に釣具店では製品コードを使ってパーツや商品の検索をします。
つまりリールの名称と番手を伝えられた場合、まずそのリールの製品コードを調べるところから始まるわけです。
この作業は地味にめんどくさいので製品コードまで伝えてくれるお客さんはマジ神です。
またリールの名称と番手だけだと年式間違いが起こる可能性がありますが、製品コードを伝えておくことで間違いの可能性はほぼなくなります。
製品番号はリールフット部やスプールに記載されていることがほとんどです。シマノは5桁、ダイワは6桁または7桁です。カタログにも記載されています。
リールの製品コードを伝えたら次はパーツです。パーツも名称だけでなくパーツ番号まで伝えましょう。
例えばハンドルノブのベアリングが欲しい場合なら、ヴァンフォードC2000Sの場合「ハンドルノブのベアリング注文してください」ではなく「29番のハンドルノブのベアリングを2個注文してください」と言いましょう。
リールの事を分かっている店員さんだけではありません。「ハンドルノブのベアリング」と言われても???な方もいます。
間違えられて困るのは自分なのでしっかりと伝えましょう。
パーツ表はシマノならシマノHP、ダイワならスポーツライフプラネッツHPで見ることが出来ます。
ヘッジホッグスタジオから取り寄せる
パーツ類は本来、取り寄せとなるのですがヘッジホッグスタジオさんではネットからパーツを購入することが出来ます。
ベアリングもどのサイズを買えば良いのか一目で分かるようになっていて非常に分かりやすいです。
他の純正パーツも非常に分かりやすいです。
社外品のカスタムパーツも多数取り扱っており、リールメンテナンスやカスタムをするなら必ずと言っていい程お世話になるショップです。
工具販売店などで購入(ベアリングのみ)
最も安く済ませる方法で、少し慣れてきた方向けです。
リール用として販売されているベアリングは1個1000円以上もしますが、工業用品向けのベアリングなら1個当たり200円、300円程度で買うことが出来ます。
ただし一定確率でハズレも混じっているので、自分で選別する必要があります。ハズレ率は僕の体感で10%~20%といったところですね。
ハンドルノブやラインローラーのベアリングは傷みやすいので、僕は大量買いして在庫として持っておきます。
シマノハンドルノブAタイプ、ダイワハンドルノブSタイプのベアリングサイズは740ZZ(内径4・外径7・厚さ2.5)です。
ラインローラーは年式やモデルによって様々なので購入前によく調べましょう。
※必ずステンレス製のベアリングを買いましょう。スチール製ではすぐに錆びてしまいます。
簡単な異常は自分で解決しよう!
自分で解決できればオーバーホールの時期や期間を気にする必要もないし、金額も安く済みます。
内部の難しい部分はプロに任せた方が良いと思いますが、ラインローラーやハンドルノブなら自分で挑戦してみてはいかがでしょうか?