誰でも手軽に始めることができるエギング。人気のピークは過ぎましたが、今もなお高い人気があります。
様々なメーカーから専用ロッドが多数リリースされており、ロッド選びに困ることはほぼなくなりましたが、種類の多さゆえ、どれを選んでいいか分からなくて困っているという方も多いのではないでしょうか?
今回は、エギングロッド選びの基本の解説とおすすめエギングロッドのご紹介をしますので是非参考にしてください!
エギングリールの記事はコチラ↓↓
エギングラインの記事はコチラ↓↓
エギンガーとして、元釣具屋店員として、そしてロッドビルダーとしての視点から見ていきます。
この記事を読むメリット
- エギングロッドの基本的な知識が得られる
- 価格別のおすすめエギングロッドを知れる
エギングロッドを選ぶ際に見るべき4つのポイント
エギングロッドを選ぶときに見るべきポイントは以下の4つです
- 長さ
- 硬さ
- 穂先
- ガイド
それぞれ解説します。
長さ
エギングロッドを選ぶうえで長さは非常に重要な項目です。
長さによって使用感がかなり変わるのでそれぞれ解説します。
7フィート台のショートロッドは扱いが楽!
- 軽い=疲れにくい、振るのが楽
- 感度が良い=アタリが分かりやすい
- 取り回しが良い=細かいアクションがつけやすい
- 飛距離が出にくい
- エギを大きく動かすのが難しい
軽くて、取り回しが良く、使っていて楽なのがショートロッドの特徴です。非常に楽なので、僕も最近はショートロッドで済ませられるならショートロッドで済ませます。
遠心力を活かしにくいため、飛距離が出ないと言われますが、近年はガイド・設計の進化や各パーツの改良が進み、ショートロッドでも飛距離が出せるようになってきています。
ロングロッドには敵いませんが、デメリットというほどのものではありません。
8フィート台は誰でも使いやすい万能な長さ!
- どこでも使いやすい
- 誰でも使いやすい
- バランスに優れる
長すぎず、短すぎず、細かいアクションから大きいアクションまで一通りこなせるのが8フィート台のエギングロッドです。
エギングロッドの中でも最も人気がある長さです。
初心者はまずこの長さから入ることをおすすめします。8フィート3インチ~8フィート6インチまでが使いやすいでしょう。
過酷な状況下では9フィート台のロングロッドが有利
- 大きなアクションがつけやすい
- 風が強い時に強い
- 足場が悪いポイントでは扱いやすい
- 重い=疲れやすい、扱うのにはある程度体力が必要
- 細かいアクションは難しい
風が強い時や磯やテトラなどの足場が悪い場所ではロングロッドの強みが光ります。
穂先を海面に近づけることができるので、ラインが風に煽られにくくなります。
そして、磯やテトラなど自分より前に障害物があるような場所では、障害物を躱しやすいです。
長い分重くなってしまうので、取り扱いには慣れが必要ですが、使いこなせると大きな武器となります。
10フィートを超える超ロングロッド
エギングロッドの中には10フィートを超えるような超ロングロッドも存在します。
活きる状況は限られますが、ハマればスゴイ威力を発揮します。
興味があるなら買ってみるのも面白いかもしれません。
硬さ
ここでいう硬さとは、使えるエギのMAXサイズを表すものです。
硬いけど3.5号までしか扱えないロッドや、柔らかくても4号まで扱えるロッドも存在しますが、今回はそのあたりは考えないものとします。
基本的にエギングは3.5号のエギが扱えれば問題ありません。したがって選ぶ硬さは3.5号が扱える硬さとなります。
ほとんどのエギングロッドは3.5号のエギを扱えるようになっていますが、中には2.5号や3号までしか扱えないロッドもあるので注意が必要です。
2.5号~4号、もしくは3号~4号が扱えるロッドがおすすめです。
エギングロッドの硬さはML(ミディアムライト)、M(ミディアム)、MH(ミディアムヘビー)などと表記されていますが、メーカーやブランドによって使えるエギのサイズがバラバラなので、購入の際は必ず扱えるエギのサイズを確認しましょう。
例:A社のロッドはM(ミディアム)で2.5号~4号、B社のロッドはM(ミディアム)で2.5号~3.5号までなど。
アルファベットでの表記がない場合もありますが、その場合は扱えるエギのサイズをチェックすれば問題ありません。
穂先
エギングロッドのほとんどがチューブラーティップですが、ソリッドティップやチタンティップのエギングロッドも存在します。
それぞれの特徴を簡単に解説します。
チューブラーティップ
穂先が中空になっているタイプです。最もエギングに向いている穂先になります。初心者はまずチューブラーティップのタイプを選びましょう。
ソリッドティップ
元のカーボンにソリッド(素材の塊を穂先上に形成したもの)が繋がれれています。エギングロッドに使われているソリッドはカーボンですが、他のロッドにはグラスファイバーが使われているタイプもあります。
細く仕上げることができるので、穂先に掛かる負荷の変化を感知しやすいのですが、曲がり方にクセがあるので扱いには慣れが必要です。
チタンティップ
元のカーボンにチタンが繋がれているタイプです。感度は非常に高いですが、重い金属が穂先に繋がれているので重く感じます。
ソリッドティップ以上にクセが強いので、上級者でない限り使いこなすのは難しいでしょう。
ガイド
エギングロッドにはアウトガイドタイプ(ロッドにガイドが付いているタイプ)とインナーガイドタイプ(ロッドの中をラインが通るタイプ)があります。
アウトガイドタイプ
よく見る定番のタイプです。インナーガイドと比べると、糸抜けが良く飛距離が出しやすいです。ガイドにラインが絡むトラブルが起こるのが欠点です。
インナーガイドタイプ
付いているガイドはエントランスガイド1つだけです。ロッドの中をラインが通るので、ラインがガイドに絡むことはありません。
技術の進歩により、昔言われていた、重い・感度が悪い・飛ばないという問題はほぼなくなったと言っても良いでしょう。
一見良いように思えるかもしれませんが、デメリットもあります。
最大のデメリットは、ラインを通すのにワイヤーが必要であることです。ワイヤーを忘れたら終わりです。何よりめんどくさいです。
また、絡んだラインがロッドの中で詰まるというトラブルもあります。取れなくなったらその日の釣りは終了ですし、最悪の場合メーカーに送ってお金を払って取ってもらう必要があります。
メーカーに送ると、早くても2週間程は掛かりますし、混んでいるときは1ヵ月経っても帰ってこないこともあります。
インナーガイドを使うなら、予備のロッドも持っておくことをおすすめします。
あまり気にしなくてもいいけど頭に入れておきたい3つのポイント
- 重さ
- グリップ長
- テーパー
重さ
ロッドの重さは、釣りをする上で重要なポイントになりますが、ロッドを選ぶ際はそれほど気にする必要はありません。
自重が軽いことと、持った時に軽く感じることは別問題だからです。
100gでも重く感じるロッドもあれば、130gでも軽く感じるロッドもあります。
30g、40gのアジングロッドであれば、自重の軽さは釣果に直結するほど重要な問題ですが、100g前後のエギングロッドでは自重よりもバランスが重要になってきます。
今どきのエギングロッドはどれも優秀ですから、自重を必要以上に気にする必要はありません。
自重を表記していないメーカーもあるぐらいです。
使うときのバランスは、ロッドにリールを装着してラインを通して、エギを水中に入れて初めて分かるものですから、ロッドの自重だけを気にしすぎても仕方ないというものです。
グリップ長
グリップが長すぎると衣服に当たる、邪魔になると言われています。それは間違いないのですが、あまり気にする必要はありません。
エギングロッドとして売られているロッドはそのあたりを計算して作られていますから、いちいち気にしなくても大丈夫です。
シーバスロッドなどをエギングに流用する場合などはきちんと確認しましょう。
テーパー
ここでいうテーパーとは、ロッドの曲がり方のことです。エギングロッドの多くはファーストテーパー(先調子)ですが、スローテーパー(胴調子)のロッドもあります。
メーカーサイトに特に表記がなければファーストテーパーだと考えてOKです。スローテーパーのエギングロッドは珍しいのでメーカーが表記しています。
細かい曲がり方はラインを通して負荷を掛けないと分からないので、選ぶ段階では分かりようがありません。
テーパーは基本的には気にしなくてOKです。
エギングロッドは万能ロッド
エギングロッドは、ルアーフィッシングで万能に使えるロッドしても知られています。
エギングロッドでシーバス
エギングロッドはシーバス狙いにも使えます。状況によってはエギングロッドの方が有利な事もあります。
重いメタルバイブなどを投げることは出来ませんが、軽量のミノーやペンシルベイトは十分扱えます。
大型河川や磯での大型狙いはさすがに難しいですが、小型河川や漁港周りで60㎝ぐらいまでなら十分に戦えます。
シーバスロッドとの違い
最も違うのは曲がり方です。一般的に、エギングロッドの方がファーストテーパーです。
エギングはロッドでエギを操作するのに対し、シーバスはリールでルアーを操作することが多いからです。
胴調子である方がバレにくいので、シーバスロッドはエギングロッドよりもレギュラーテーパーに近い設計となっています。(例外あり)
あとはグリップ長が違います。シーバスロッドは脇でグリップを挟むようにして使う事を考えて、エギングロッドよりも長めに設計されています。
エギングの際はこのグリップが邪魔になってしまいます。
硬さや長さが違うとも言われますが、エギングロッドと同じような長さや硬さのシーバスロッドも多いです。この点は明確な違いとは言えないでしょう。
エギングロッドでアジング
エギングロッドで1gの軽量ジグヘッドを操作するのはさすがに無理ですが、キャロやフロートなら使えます。
重いフロートリグをぶん投げるならむしろエギングロッドの方が向いているでしょう。
エギングロッドでライトショアジギング
エギングロッドはライトショアジギングに使うこともできます。
使うジグの重さには注意しましょう。(4号のエギは25g程度)
小型の青物であれば十分対応できます。
軽量でファーストテーパーのエギングロッドは20g前後のジグは抜群に操作しやすいですよ。
グリップを脇に挟むことができないので、手首に負担が掛かってしまうのが難点です。
エギングロッドでロックフィッシュ
エギングロッドはロックフィッシュ狙いにも使えます。10g前後のジグヘッドを使ったライトロックは楽しいですよ。
ハードロックはさすがに難しいですが、船からや、陸からでも中層オオモンハタ狙い限定なら使えなくはありません。
僕は専用ロッドを持っていなかったときはエギングロッドでオオモンハタを釣っていました。(やはりかなり厳しかったので止めましたが)
おすすめのエギングロッド
安い!初心者におすすめのエギングロッド
1万円以下で買える安いエギングロッドをご紹介。まずはこのあたりから入ることをおすすめします。
ソルティーアドバンスEGING S83ML (シマノ)
実売で1万円前後の価格帯にして、フジ工業のリールシートとKガイドフレームが搭載されたコスパお化け。
ブランクスのシャキッとしたフィーリングはとてもこの価格帯のロッドだとは思えません。
驚異の100gアンダー。まさに価格破壊のロッドです。
脱初心者を目指す!ハイコストパフォーマンスのエギングロッド
セフィアBB S86ML (シマノ)
ハイパワーXが採用され、ブランクスのネジレを排除。キャストの正確性が上がります。
シマノオリジナルのリールシート、ステンレスフレームKガイドが採用されたハイコストパフォーマンスなロッドです。
エメラルダスX 86M (ダイワ)
ブレーディングXを採用し、ブランクスのネジレを抑制。パワーロスを防ぎます。
様々な状況に対応できるオールラウンダーな1本です。
エギストSSD 86ML (テイルウォーク)
前モデルのSSD L-EGINGは非常にバランスが良く、持ち重りしないロッドでした。
ロッドのハリ・曲がりが絶妙で、軽い力で楽にエギを動かすことができました。
ブランクスにしっかりとした粘りが感じられる完成度の高いロッドでした。
そんなSSD L-EGINGがリニューアルされたエギストSSDはかなり期待できます。
更なる高みを目指す!中級者におすすめのエギングロッド
20カラマレッティー 20GCALS-852M (オリムピック)
クワトログラファイトクロスXXとG-MAPSで構成された非常に高性能なブランクスに、パーツ類はチタンフレームガイド、VSSリールシート、スピゴットフェルールと上位機種と比べても見劣りしない仕上がりです。
復元力が高いブランクスは、振りぬきの良さが抜群に良く、飛距離UPに繋がる上にイカを掛けた後も非常に楽に浮かせることができます。
エギストTZ 86M (テイルウォーク)
しなやかで、よく曲がりよく戻るブランクスです。
チタンフレームトルザイトガイドのセッティングも相まって、びっくりするぐらい飛びます。
エギを動かす際も、ロッドがきっちり仕事をしてくれるので非常に楽に動かすことができます。
バットエンドは解放されており、振動が抜ける構造になっているため感度も良いです。
非常に粘り強く、パワーがあるので700g程度のイカは余裕で抜き上げられました。
しなやかで曲がるロッドが好きな方にはおすすめです。
ブルーポーター EG 86ML (アレス)
しなやかでよく曲がるアレスらしいロッドです。フェルールも、曲がりを重視した印籠継が採用されています。
この価格帯にしてバット部に4軸カーボンが採用されており、ネジレの抑制をするとともに、反発としなやかさを両立させ1日振り続けても疲れない調子に仕上がっています。
ブランクスはMatteラッピング工法を採用し、バットの1部以外をアンサンドフィニッシュ(無塗装)にすることにより、ブランクス本来の特性を最大限に発揮、高感度に仕上げられています。
塗装がされているのとされていないのでは、シャープさや感度に明確な差が出ます。
セフィアCI4+ S806M-S (シマノ)
ブランクスにはスパイラルXとハイパワーXが搭載され、ネジレ・ツブレを抑えます。
シャキッとシャープに仕上げつつ、しなやかさと粘りを持たせられているので、ブレなく、そして楽に操作することができます。
しなやかなで繊細なタフテックα(ソリッドティップ)が搭載されたS806M-Sは微妙な潮の変化やイカの抜けアタリも敏感に察知します。
これぞ至高、ハイエンドのエギングロッド
レスター 夢墨 GVX 8.6L
全身が4軸で高強度高弾性の新素材トレカM40Xの超高級ロッド。
強度アップした40トンカーボンを使うことで、より軽く、強く、感度の良いロッドに仕上がります。
8.6LはL調子のしなやかさを持ちながらも、高弾性由来のハリがあるため、ゆったりした大きなジャークにも細かい鋭いジャークにも対応します。
セフィアリミテッド S83L (シマノ)
シマノのテクノロジーが詰め込まれた最高峰モデル。
スパイラルXコア・ハイパワーXはもちろん、Xガイドエアロチタン・カーボンシェルグリップ・カーボンモノコックグリップなどブランクスの性能をフルに生かすためのパーツ構成となっています。
大型アオリイカが釣れることで有名な南紀地方のエキスパートアングラー達が「85ML?強すぎる。83Lで十分!」というほどのパワーを秘めているそうで、「85MLが欲しい」と言った僕は「そんな強い竿で何釣るんな?(笑)」と言われました。
シャープかつしなやか、高感度で高強度と相反する要素を全て兼ね備えた究極のエギングロッドです。
スーパーカラマレッティーAT GSCS-892MLM-AT (オリムピック)
定価10万円オーバーの超高級ロッド。
ブランクスはトレカT1100G・クワトログラファイトクロスXX・スーパークワトログラファイトクロスをオートクレーブ製法・G-MAPS製法で仕上げたブランクスは、ネジレを抑え、強い復元力を生み出します。
ブランクスメーカーらしい、ブランクスをとことん突き詰めたロッドです。
かなり待たないと手に入らないこともあるようですね。
自分に合うエギングロッドを見つけよう!
エギングのスタイルは十人十色です。もちろんそれぞれ合うロッドも違います。
しっかり勉強して、自分のスタイルに合うロッドを見つけてください!